株式会社ShareArc 宇佐美啓介|空間マッチングで遊休不動産を価値化する戦略
代表プロフィール

| 氏名 | 宇佐美 啓介 |
| 役職 | 株式会社ShareArc 代表取締役社長 |
| 生年月日 | 1980年11月22日 |
| 出身地 | 神奈川県藤沢市 |
| 略歴 | 2007年:大手不動産会社にて商業施設のテナントリーシングを担当 2012年:同社新規事業室で短期利用スペース事業を立ち上げ、責任者に就任 2016年:独立し、空間マッチングの受託運用会社を創業 2021年:株式会社ShareArcを設立し、空間シェアリングプラットフォームを本格展開 |
インタビュー
Q:空間シェアリングという発想に至った原点を教えてください。
宇佐美:不動産業界でリーシングをしていた頃、稼働していない“余白の時間”が膨大にあるのを肌で感じました。空室だけでなく、昼は使わない会議室、オフシーズンの倉庫、休日は閉める店舗のバックヤード……。ここに需要側(ポップアップ出店、撮影、イベント、マイクロ物流など)を結びつければ、新しいキャッシュフローを生み出せるはずだと。前身の受託運用期を経て、よりデータドリブンに最適化できると確信し、現在のShareArcに軸足を移しました。
Q:空間マッチングは参入も増えていますが、ShareArcの強みは?
宇佐美:三つあります。第一に需要予測モデル。周辺イベント情報、交通・人流、天気、商圏購買データを掛け合わせ、時間帯別の成約確度と最適料金を提示します。第二に運用伴走。撮影可否や騒音基準、保険・原状回復までワンストップで設計し、オーナーの手離れを高めます。第三に信頼担保。本人確認・審査、預り金スキーム、レビューの非対称性是正など安全性に投資しています。
Q:中心地以外での稼働は難しいのでは?
宇佐美:鍵は用途の可変性です。地方自治体や商業施設運営会社と連携し、平日はワークスペース、週末はマルシェ、夜は撮影や勉強会と“タイムスライス”で使い分けます。ローカルの作り手や学生、スタートアップを巻き込み、小さく回して速く学ぶ。稼働率だけでなく、来街者数や周辺売上への波及など“まちのKPI”も可視化しています。
Q:シェアはトラブルもつきものですが、どう備えていますか。
宇佐美:事前審査と行動ルールの標準化が要です。用途ごとに音量・人数・ゴミ処理・近隣配慮の基準を明文化し、予約時にデジタル署名。入退室はスマートロックとログで可視化、破損・汚損は写真とセンサーで事実認定をスムーズに。保険は用途別プランを自動提案します。万一の際は原状回復のSLAを定め、オーナー側の機会損失を最小化します。
Q:5年後のShareArcのビジョンをお聞かせください。
宇佐美:空間を“点の貸し借り”からオペレーションの共有へ進化させます。たとえばEC事業者向けのマイクロフルフィルメントや、イベント主催者の移動型サプライ(什器・電源・回線のモジュール化)をセットで提供する。さらに需要予測をオーナーの収益設計(レンタル/サブスク/レベニューシェア)に直結させ、稼げる時間割を自動生成する。空間の余白を、地域と事業者の成長エンジンに変え続けたいですね。
会社概要
| 会社名 | 株式会社ShareArc. |
| 設立 | 2015年4月 |
| 従業員数 | 78名 |
| 事業内容 | 空間シェアリングプラットフォームの企画・開発・運営 遊休不動産の活用コンサルティング 短期・時間貸しスペースの運用代行 |
| 主要取引先 | 大手不動産デベロッパー、地方自治体、商業施設運営会社、イベント企画会社 |

