株式会社メディカル・リンク・デザイン 樫山 慎太郎|「白衣の孤独」をデジタルで救う。現役医師が挑む、命を繋ぐナレッジ共有の未来
代表プロフィール

| 氏名 | 樫山 慎太郎 |
| 役職 | 株式会社メディカル・リンク・デザイン 代表取締役社長兼 医師 |
| 生年月日 | 1988年11月03日 |
| 出身地 | 兵庫県 神戸市 |
| 略歴 | 2013年:国立大学医学部卒業後、総合病院にて循環器内科医として勤務。救急医療の最前線に従事。 2018年:医療現場のデジタル化の遅れを痛感し、臨床を続けながら米国のビジネススクール(MBA)へ留学。 2020年:帰国後、医師同士の知見をリアルタイムで共有するプラットフォーム、株式会社メディカル・リンク・デザインを設立。2023年:若手医師の教育負担を軽減するAIメンター機能をリリース。全国200以上の提携病院に導入される。 2026年:アジア圏の医療格差解消に向けた、多言語対応の遠隔カンファレンス支援システム「LINC-Global」を開始。 |
インタビュー
Q:現役の医師でありながら、起業という道を選んだ最大の動機は何だったのでしょうか。
樫山 慎太郎: 救急の現場にいた頃、深夜に一人で難しい症例の判断を迫られることが何度もありました。もちろん教科書はありますが、目の前の患者さんに今何がベストか、確信が持てない時の孤独感は凄まじいものです。
「あの時、専門医に一言相談できていれば」。そんな現場の切実な声を、個人の精神力でカバーし続けるのは限界だと思いました。医療を「個人のスキル」に閉じ込めるのではなく、デジタルの力で「共有される知」へとアップデートしたい。一人の医師として救える命には限りがありますが、仕組みを作れば救える命の数は桁が変わると確信したんです。
Q:運営されているプラットフォームでは、どのような「知見の共有」が行われているのですか?
樫山 慎太郎: 単なる情報交換ではありません。匿名性を保ちつつ、画像診断の意見を仰いだり、最新の論文が実際の臨床でどう機能したかといった「生きたナレッジ」をリアルタイムで共有しています。
特に地方の病院や、若手医師が一人で当直しているような場面では、この「背後に誰かがいる」という安心感が判断の精度を劇的に高めます。AIメンター機能も、医師に代わって診断するのではなく、医師が気づきにくいリスクを「提案」することで、ヒューマンエラーを防ぐパートナーとして設計しています。
Q:医療現場は多忙を極めます。新しいシステムを導入することに抵抗感を持つ方も多いのではないでしょうか。
樫山 慎太郎: おっしゃる通り、医療者は新しい操作を覚える時間すら惜しいのが現状です。だからこそ、私たちは「デザイン」を最優先しています。
マニュアルを読まなくても直感的に使えること。カルテ入力の合間に数秒で確認できること。徹底的に現場の動線に潜り込み、医師に「手間」を強いるのではなく、自然と「ゆとり」を生み出すツールであることを追求しました。テクノロジーが医療の邪魔をするのではなく、医師が患者さんと向き合う時間を1分でも増やすための黒子でありたいんです。
Q:若手医師の教育負担を軽減するという点についても、非常に注目が集まっていますね。
樫山 慎太郎: 今の医療現場は、教える側も教わる側も疲れ果てています。私たちのプラットフォームでは、熟練医の思考プロセスを構造化して蓄積しているため、若手が自学自習で「質の高い臨床知」に触れることができます。
教育を効率化することは、手抜きではありません。基本をデジタルがサポートすることで、対面での指導は「手技のニュアンス」や「患者さんとの対話」といった、より人間にしかできない高度な伝承に集中できるようになります。これが、次世代の医療の質を守ることに繋がると考えています。
Q:樫山社長が描く、このプラットフォームの「その先」にある景色を教えてください。
樫山 慎太郎: 「どこにいても、誰が担当しても、世界標準の医療が受けられる」世界です。2026年に始動したLINC-Globalも、その一環です。国境や地域による医療格差を、知能のネットワークで平準化していきたい。
最終的なゴールは、医師が孤独から解放され、心身ともに健やかに診療に当たれる環境を創ることです。医療者が幸せでなければ、患者さんに質の高い医療は提供できません。私たちはデジタルを通じて、医療という尊い仕事に携わるすべての人に、心強い「リンク」を届け続けたいと思っています。
会社概要
| 会社名 | 株式会社メディカル・リンク・デザイン |
| 設立 | 2020年8月 |
| 従業員数 | 58名 (2026年3月時点) |
| 事業内容 | 医療従事者専用SNS・ナレッジ共有プラットフォームの運営 AIを用いた臨床意思決定支援システムの開発 医療機関向け経営DXコンサルティング |
| 主要取引先 | 大学病院、地方自治体病院、民間総合病院、製薬会社、医療機器メーカー。 |

