株式会社マカベ住設 真壁義久|リフォームは「家の声」を聴くことから。元大工が教える、100年住み継ぐための構造再生術
代表プロフィール

| 氏名 | 真壁 義久 |
| 役職 | 株式会社マカベ住設 代表取締役社長 |
| 生年月日 | 1970年02月14日 |
| 出身地 | 静岡県 浜松市 |
| 略歴 | 1988年:高校卒業後、地元の工務店に弟子入り。大工として木造建築の基礎と構造を叩き込まれる。 2002年:一級建築施工管理技士を取得。現場監督として数多くの住宅再生プロジェクトを指揮する。 2009年:「100年住み継げる家」をコンセプトに、株式会社マカベ住設を設立。 2017年:断熱・省エネ改修に特化した独自工法「エア・レイヤー・リノベーション」を発表し、グッドデザイン賞を受賞。 2025年:地域コミュニティと連携し、空き家を利活用した「多世代共生型リノベーション事業」を本格始動。 |
インタビュー
Q:大工の弟子入りからキャリアをスタートされていますが、現場の最前線を知る真壁社長から見て、「本当に良いリフォーム」とは何でしょうか。
真壁 義久: 一言で言えば、「見えない場所が、見える場所と同じくらい美しいこと」です。 壁紙を張り替えたり最新のキッチンを入れたりするのは、いわばお化粧のようなもの。でも、本当に大切なのは壁の中にある柱や基礎の健康状態なんです。
私は現場に行くと、まず床下に潜ったり天井裏を覗いたりします。そこで家が発している「声」を聴く。傷んだ箇所を丁寧に補強し、構造から立て直して初めて、安心という本当の価値が生まれます。表面的な綺麗さだけではなく、住む人があと数十年、心からリラックスして過ごせる。そんな「安心の裏付け」があるリフォームこそが、本物だと思っています。
Q:最近は「断熱・省エネ改修」にも注力されていますね。古民家や古い木造住宅でも、現代の快適さは実現できるのでしょうか。
真壁 義久: もちろんです。むしろ、古い家ほどリフォームの効果は劇的に現れます。 私たちの「エア・レイヤー・リノベーション」という工法は、木材の呼吸を妨げずに、魔法瓶のように家を包み込む技術です。
古い家は「冬は寒くて当たり前」と諦めている方が多いのですが、適切に断熱改修を行えば、真冬でも薄着で過ごせるほど暖かくなります。昔ながらの重厚な梁や柱の美しさを活かしながら、性能は最新のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)並みに引き上げる。伝統とテクノロジーの融合こそが、今の時代の贅沢ではないでしょうか。
Q:古民家再生のプロジェクトでは、特に「家族の記憶」を大切にされていると伺いました。具体的にどのような工夫をされているのですか?
真壁 義久: 例えば、建て替えであれば捨てられてしまうような「大黒柱」や、子供たちが背丈を刻んだ「傷のある柱」を、新しいリビングの意匠として組み直したりします。
家というのは、単なる箱ではなく、家族が過ごした時間の積み重ねです。リフォームで全てを新しくしてしまうのは簡単ですが、それでは思い出まで消えてしまう。古い材には、新材にはない風格と物語があります。それらを「宝物」として磨き直し、次の世代へ引き継ぐ。お客様が完成した家を見て、「ああ、うちの柱がこんなに綺麗になって」と涙ぐまれる瞬間が、この仕事をやっていて一番嬉しい時ですね。
Q:リフォームは打ち合わせから完成まで、お客様との長い付き合いになります。コミュニケーションで意識されていることはありますか?
真壁 義久: 「プロとしての意見」と「暮らす人の感覚」の距離を縮めることです。 私は元大工ですから、つい技術的な話をしがちですが、お客様が求めているのは「そこでどんな毎日が送れるか」というイメージです。
だからこそ、私は図面だけでなく、現場で一緒にお茶を飲みながらお話しする時間を大切にします。朝起きてどこでコーヒーを飲むのか、お孫さんが遊びに来たらどこで遊ぶのか。そんな何気ない会話の中に、理想の間取りのヒントが隠れています。売る側と買う側ではなく、一緒に「いい家」を育てるチームのような関係でありたいと思っています。
Q:最後に、空き家活用や多世代共生など、真壁社長が描く「これからの住まいのあり方」について教えてください。
真壁 義久: 家は、閉じられた場所ではなく、地域を豊かにする資源であるべきだと考えています。 今、日本中で増えている空き家も、適切なリノベーションを施せば、若者と高齢者が交流できるカフェや、新しい働き方を支えるオフィスに生まれ変わります。
一つひとつの家を直し、寿命を延ばすことは、その街の風景を守ることにも繋がります。マカベ住設としては、これからも浜松の地で、一軒でも多くの家に「新しい命」を吹き込んでいきたい。子供たちが大人になった時、「この家を直して住み続けたい」と言ってくれるような、愛着の持てる住まいを増やしていくことが、私の最後の仕事だと思っています。
会社概要
| 会社名 | 株式会社マカベ住設 |
| 設立 | 2009年5月 |
| 従業員数 | 32名 (2026年3月時点) |
| 事業内容 | 木造住宅のフルリノベーション、耐震・断熱改修 古民家再生 バリアフリーリフォームの設計・施工 |
| 主要取引先 | 一般個人顧客、地元不動産会社、公共施設(指定管理者)、地域自治体。 |

