社長

株式会社トラスト・リレー 橘 謙吾|家賃保証は「排除」から「包摂」へ。AI審査が切り拓く、多様な生き方を否定しない賃貸市場

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代表プロフィール

氏名橘 謙吾
役職株式会社トラスト・リレー 代表取締役社長
生年月日1975年08月12日
出身地福岡県 福岡市
略歴1998年:大学卒業後、大手都市銀行に入行。法人融資審査および不動産担保評価の現場でキャリアを積む。
2007年:賃貸仲介・管理を行う不動産ベンチャー企業へ参画。属性による「借りづらさ」が招く機会損失の課題に直面する。
2014年:誰もが公平に住まいを確保できる仕組みを目指し、株式会社トラスト・リレーを設立。
2020年:AIを活用した独自のスコアリングモデルを構築。フリーランスや外国人層への保証実績を飛躍的に伸ばす。
2025年:高齢者の孤立を防ぐ見守り機能付き保証プラン「セーフティ・ネクスト」を全国の自治体と連携し展開。

インタビュー

Q:銀行員としてのエリート街道を歩まれていましたが、不動産業界に転身された理由を教えてください。

橘 謙吾: 銀行時代、私が向き合っていたのは「担保」や「財務諸表」という数字の束でした。しかし、不動産の現場に回って驚いたのは、どれだけ真面目に働いていても、フリーランスだから、あるいは外国人だからという記号的な理由だけで、住む場所を断られる人があまりに多いという現実です。
「支払い能力があるのに、古いルールに弾かれる」という矛盾。これは単なるビジネスの機会損失ではなく、社会のインフラが機能していない証拠だと感じました。数字の奥にある「その人の真の信頼」を評価する仕組みを作りたい。そう思ったのが、トラスト・リレーを立ち上げた原点です。

Q:独自のAI審査モデルを構築されていますが、従来の「機械的な審査」とは何が違うのでしょうか。

橘 謙吾: むしろ逆なんです。従来の審査は「落とす理由」を探すための減点方式でした。対して私たちのAIモデルは、多様なデータから「承認できる理由」を見つけるための加点方式です。

例えば、今は会社員でなくてもSNSの運用実績や特定のスキルで安定した収入を得ている方が大勢います。そうした現代的な働き方や生活実態を、多角的な視点からスコアリングすることで、これまでは「不明」とされていた部分を「信頼」に変換できる。テクノロジーは、人間を型にはめるためではなく、型からはみ出した人の可能性を救うために使うべきだと考えています。

Q:フリーランスや高齢者といった、いわゆる「審査が通りにくい層」への保証実績を伸ばされています。リスクは怖くないですか?

橘 謙吾: リスクというのは「情報が足りない」から発生する不安に過ぎません。しっかりとしたデータに基づけば、彼らが決して「リスクそのもの」ではないことが分かります。

実際に私たちの保証実績を見ると、フリーランスの方々の支払い率は非常に高い。彼らは信用がどれほど大切かを、身をもって知っているからです。固定観念を捨てて、事実としての「誠実さ」を測る。これができれば、リスクはコントロール可能なものに変わります。私たちは、誰もが安心して住まいを確保できる「セーフティネット」としての役割を誇りに思っています。

Q:もし家賃が滞ってしまった場合、単なる「督促」以上の関わりをされていると伺いました。

橘 謙吾: 私たちは、滞納を単なる「契約違反」とは捉えません。その背景には、病気や失業など、必ず人生のつまずきがあります。だから、まずは「どうされましたか?」という対話から始めます。

支払いを迫るのではなく、自治体の支援制度を案内したり、再就職のサポートを模索したりすることもあります。住まいを失うことは、その人の再起の機会を奪うこと。私たちがそのリレーのバトンを繋ぎ止めることで、最終的に支払いが正常化するケースも多いんです。冷たい取り立てではなく、伴走者でありたい。それが「トラスト(信頼)」を社名に掲げた私たちの覚悟です。

Q:橘社長が描く、これからの日本の賃貸市場、そして「住まいの未来」を教えてください。

橘 謙吾: 住む場所を探すことが、ストレスや不安ではなく、新しい生活への「希望」であってほしい。10年後には、「保証会社がいるから、どんな属性の人でも安心して貸せる」という状態を当たり前にしたいですね。

国籍や年齢、働き方で住まいが制限されない社会。それは、人々がもっと自由に、もっと果敢に人生に挑戦できる社会でもあるはずです。私たちは家賃を保証するだけでなく、その人が踏み出す一歩、その「勇気」そのものを支える存在であり続けたい。不動産業界のインフラをアップデートし、誰もが胸を張って「ただいま」と言える場所がある未来を創っていきます。

会社概要

会社名株式会社トラスト・リレー
設立2014年10月
従業員数124名 (2026年3月時点)
事業内容家賃債務保証事業、賃貸経営リスク管理
ITを活用した入居審査システムの提供
居住支援コンサルティング
主要取引先大手電力会社、地方自治体、住宅メーカー、商業施設運営会社
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