株式会社サンカイ・エクスプレス 岡島勝彦|中継輸送拠点で実現した「毎日家に帰れる物流」
代表プロフィール

| 氏名 | 岡島 勝彦(おかじま かつひこ) |
| 役職 | 株式会社サンカイ・エクスプレス 代表取締役社長 |
| 生年月日 | 1962年05月14日 |
| 出身地 | 北海道 函館市 |
| 略歴 | 1985年:大手海運会社の陸上輸送部門に入社。港湾物流の基礎を学ぶ。 1998年:独立系の中堅運送会社へ移籍。営業部長として配送ネットワークの全国拡大を指揮。 2008年:医療機器や精密機器に特化した特殊輸送を行う「株式会社サンカイ・エクスプレス」を設立。 2017年:業界に先駆けてドライバーの労務管理システムを完全自社開発。労働環境の改善に着手。 2024年:中継輸送拠点の新設を完了し、長距離輸送の効率化を実現。持続可能な物流モデルを確立。 |
インタビュー
Q:大手海運会社から独立し、2008年に「特殊輸送」の会社を設立されました。リーマンショックの時期と重なりますが、あえて困難な時期に舵を切ったのはなぜですか?
岡島 勝彦: そうですね、周りからは「正気か?」と何度も言われましたよ(笑)。でも、バブルの熱狂からその崩壊までを現場で見てきて、確信していたことがあったんです。それは「単にモノを右から左へ運ぶだけの仕事は、いつか価格競争で疲弊する」ということ。
不況になっても、命に関わる医療機器や、代えのきかない精密装置の輸送は止まりません。むしろ、厳しい時代だからこそ、お客様は「安さ」よりも「絶対に壊さない、遅れない」という『確実性』を求めていると感じたんです。リスクを承知で、物流の『質』で勝負したかった。あの時の覚悟が、今の当社の土台になっています。
Q:「運ぶのが最も難しい」と言われる医療機器を扱う中で、岡島社長が最も大切にしている「現場の心得」は何でしょうか。
岡島 勝彦: 私が口を酸っぱくして言っているのは、「荷物の向こう側にいる人の顔を想像しろ」ということです。運んでいるのはただの機械じゃない。その機械が届くのを待っている患者さんがいて、その家族がいる。
「慎重に運べ」と命令するだけでは、人は疲れてしまいます。でも、「この荷物が明日、誰かの命を救うかもしれない」という誇りを持てれば、ハンドルの握り方一つから変わってくるんです。プロとしての技術はもちろんですが、最後はやっぱり『使命感』。これが、うちの最大の強みだと思っています。
Q:2024年問題を含め、物流業界は「ドライバー不足」が深刻です。早くから労務管理システムの自社開発に踏み切った狙いを教えてください。
岡島 勝彦: 葛藤はありましたよ。私も若い頃は「気合と根性で走るのが当たり前」という時代でしたからね。でも、そんな根性論で若者が集まるわけがない。
デジタル化は、ドライバーを縛るためじゃなく、彼らを『守るため』に導入しました。誰がどれだけ走って、どこで無理をしているのかを可視化しないと、本当の意味での「働きやすさ」は作れません。古い人間だからこそ、次の世代に同じ苦労をさせてはいけない。ITを駆使して、いかに「格好良くて持続可能な物流」にするか。それが私の今の仕事です。
Q:2024年に完成させた「中継輸送拠点」は、長距離ドライバーの負担を劇的に減らしたと伺っています。具体的にどのような変化がありましたか?
岡島 勝彦: これは本当にやって良かった。北海道と九州の中間地点で荷物を積み替え、ドライバーが自分の拠点に帰れる仕組みですが、一番の変化は「家族との時間が増えた」という報告が上がってきたことです。
昔なら、一度出発したら数日は帰れないのが当たり前でしたが、今は毎日家に帰って子供とご飯が食べられる。そうなると、ドライバーの表情が明るくなるんです。表情が明るくなれば、運転も丁寧になる。2024年問題は大きな壁でしたが、それを機に「物流のあり方」を根本から変えられたのは、大きな収穫でした。
Q:最後に、物流という日本の動脈を支え続けてきた立場から、これからの業界をどう盛り上げていきたいかお聞かせください。
岡島 勝彦: 物流は、社会がどんなにデジタル化しても絶対になくならない、最も「人間味」のあるインフラです。自動運転やドローンの時代が来ても、最後にお客様に荷物を届け、笑顔をいただくのは人間ですから。
若い人たちには、この仕事を「ただの運転手」だと思わないでほしい。私たちは、日本の経済と、誰かの日常を裏側で支える「ヒーロー」なんです。サンカイ・エクスプレスがその先頭に立って、若者が胸を張って入ってこられる、魅力的な業界を創っていきたいですね。
会社概要
| 会社名 | 株式会社サンカイ・エクスプレス |
| 設立 | 2008年10月 |
| 従業員数 | 210名 (2026年2月時点) |
| 事業内容 | 精密機器・医療機器の特殊輸送 医薬品保冷配送 物流コンサルティング 倉庫業 |
| 主要取引先 | 大手医療機器メーカー、総合病院、半導体製造装置メーカー、国内大手物流会社 |

