社長

株式会社アグリサーキット 早瀬颯真|温室の“ブラックボックス”を開く次世代型農業

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代表プロフィール

氏名早瀬 颯真
役職株式会社アグリサーキット 代表取締役社長
生年月日1991年7月18日
出身地長野県松本市
略歴2013年:総合電機メーカーに入社、産業用IoTの制御ソフト開発を担当
2017年:農業法人へ転じ、温室環境のデータ化・自動潅水制御プロジェクトを主導
2019年:海外研究機関の客員研究員として環境制御アルゴリズムとLED栽培の共同研究に参画
2021年:株式会社アグリサーキットを設立、次世代型農業(CEA)事業を本格展開

インタビュー

Q:なぜエンジニアから農業へ?

早瀬 颯真: 正直、人前で喋るのは得意じゃないんですが……現場でセンサーを触っている時だけは饒舌になります(笑)。工場の環境制御と温室の制御は似ているのに、農業は「経験則のブラックボックス」が多い。そこにデータの入り口を作れば、若手でも戦えるはずだと考え、起業しました。

Q:御社の強みを一言で言うと?

早瀬 颯真: 環境データと作物生理の同時最適化です。温度・湿度・CO₂・PPFD(光量)・養液EC/pHを作物のフェノロジーと同じ時系列で管理し、AIが「いまは糖度優先か、成長速度優先か」を切り替える。アルゴリズムは派手ですが、実態は作業指示が1日単位で明確になることに価値があります。

Q:性格は“内弁慶”とのこと。リーダーシップの形は?

早瀬 颯真: 大声では引っ張れません。なので事実と手順で動く組織にしています。温室ごとに「午前・午後のKPI」を掲示して、誰が見ても次の一手が分かるように。会議は短く、現場ボードの数字が合わない時だけ私が口を出す。黙っている時間が長い分、言うときは根拠付きで早く言います。

Q:営農型太陽光は本当に儲かる?

早瀬 颯真: 期待しすぎは禁物です。発電は電力価格と日射に左右されますから。ただ、当社は負荷平準化とセットで導入します。昼間の余剰電力で冷房・蓄電・養液ポンプを優先稼働させ、夜間のピークを下げる。結果としてkWhあたりの収穫量が安定し、電気代の感応度が下がる。収益は“複合効果”で見るのが現実的です。

Q:2~3年先の重点テーマは?

早瀬 颯真: 組織培養のライン垂直農法をもっと密に繋げます。病原リスクの低い苗をロットIDで追跡し、環境制御と同じダッシュボードで管理する。品種ごとの光レシピを標準化して、初収穫までのリードタイムを短縮します。私は口下手ですが、数字は裏切らない。その積み上げで、農業を次の産業にしたいですね。

会社概要

会社名株式会社アグリサーキット
設立2021年8月
従業員数46名(2025年9月時点)
事業内容スマート温室・垂直農法の設計運用
AIによる環境制御・収量予測
培地・苗(組織培養)の供給
主要取引先食品メーカー、外食チェーン、スーパーマーケット、地方自治体
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