株式会社綿凪 三浦俊哉|“育つバスタオル”の設計思想
代表プロフィール

| 氏名 | 三浦 俊哉(みうら としや) |
| 役職 | 株式会社綿凪(わんなぎ) 代表取締役社長 |
| 生年月日 | 1979年1月28日 |
| 出身地 | 愛媛県今治市 |
| 略歴 | 2002年:綿糸メーカーに入社し、撚糸・強撚糸の品質管理を担当 2008年:タオル縫製工場へ転じ、生産計画と新規設備(先染め・ジャカード)の導入を統括 2016年:企画室「NAGI STUDIO」を設立し、旅館・ホテル向け別注タオルの企画を開始 2022年:株式会社綿凪を設立。企画・織布・縫製・仕上げまで一貫体制を整備し、自社ブランドを立ち上げ |
インタビュー
Q:なぜバスタオルに特化した会社を?
三浦 俊哉: 生まれも育ちも今治。糸屋と縫製工場の両方を経験して、“肌触りが良い=良いタオル”ではないと痛感しました。吸水、乾き、毛羽、耐久、サイズ設計――全部を数値で語れないと本物じゃない。だから企画・織布・縫製・仕上げまで一貫に振り切り、理屈で勝てるバスタオルを作る会社を立ち上げた。それだけです。
Q:綿凪のタオルは他社と何が違いますか。
三浦 俊哉: 見た目や初触感じゃなく使用1か月後で評価します。無撚糸だけだと毛羽が出やすい。そこで無撚糸×双糸のハイブリッド、さらにガス焼き(糸表面の毛羽処理)で洗濯後のケバを抑えます。パイルは密度を上げて高さは控えめ、基布は双糸でコシを出す。結果、吸水スピードと耐久のバランスが崩れない。数字の話をすれば、当社基準で吸水到達時間は新品より10回洗濯後の方が速い。育つタオルです。
Q:主要顧客に高級旅館・ホテルがあります。要望は?
三浦 俊哉: 一言で言えば“経年で裏切らないこと”。業務洗濯は家庭と比べて負荷が段違い。だからループ抜け抑制の縫製、耳ほつれ対策の三つ巻+補強ステッチ、収縮率の事前測定を徹底します。導入前に想定洗濯回数(例:300回)での厚み変化・吸水・毛羽残渣を提示して合意を取る。ふわふわ写真だけで売る気はありません。
Q:環境配慮はどう進めていますか。
三浦 俊哉: まず長寿命設計。買い替え頻度を下げるのが一番効く。その上で、先晒しプロセスの用水削減、薬剤使用量の最適化、端材リサイクルをやる。素材は長繊維コットンを中心に、用途で中空糸やリサイクル混も使い分ける。聞こえのいい言葉より、LCAの前提条件を詰める方が大事です。
Q:今後の商品戦略は?
三浦 俊哉: 使う人と乾燥環境は千差万別。だからサイズ×厚み×乾燥時間を軸に三系統に分けます。①部屋干し特化の速乾ライン、②ホテル仕様の重厚ライン、③赤ちゃん・敏感肌向けの低刺激ライン。ECでも身長・バスルーム環境・洗濯頻度を入れれば最適をレコメンドする。“なんとなく大きい一枚”の時代は終わり。必要な性能を選ぶ時代にします。
会社概要
| 会社名 | 会社名 株式会社綿凪(わんなぎ) |
| 設立 | 2022年4月 |
| 従業員数 | 52名(2025年9月時点) |
| 事業内容 | バスタオル・フェイスタオル等の企画・製造・販売 ホテル・スパ・ベビー向けOEM・ODM 無撚糸・中空糸を用いた高吸水素材の開発 |
| 主要取引先 | 大手電力会社、地方自治体、住宅高級旅館・ホテルチェーン、百貨店、ライフスタイル系セレクトショップ、美容サロン |

